さて、グレゴリオ暦やユリウス暦という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これらは私たちのカレンダーのもとになっている暦(こよみ)の考え方です。
1年は365日あって、12か月に分割されています。1か月は7日で構成される週という単位に区切ることができます。1日は24時間で、1時間は60分、1分は60秒です。
このようなことはみなさんご存じだと思います。では、どうやってこれらの数字は作られたのでしょうか。
そのもとになった考え方がユリウス暦であり、グレゴリオ暦と言えます。
今回は、グレゴリオ暦とはなに?ユリウス暦とはなに?の疑問について解説していきます。
暦(こよみ)とはなにか?
はじめに、暦(こよみ)の考え方について整理していきましょう。
暦とは、時間の流れを年や月、日や時間などの単位に区切って整理する考え方です。また、太陽暦や太陰暦に代表される暦の考え方にも様々あります。
ここでは、暦という考え方がどうしてできたのか、暦がないと何が困るのか、について説明します。
暦は計画的に物事を進めるための基準
まず、暦がなぜ存在するようになったのか考えていきましょう。
文明ができて以来、人は集団で生活するようになりました。集団で生活すると、みんなで同じ基準に従って動いたり、計画的に物事を進める必要が出てきます。
計画的に食料を確保するために、人類は稲作を始めました。どの季節に稲を植えれば、いつ頃身がなり収穫できるか、経験的にわかるようになってきます。
それにより自然と稲を収穫するためのサイクルが生まれます。そのサイクルを毎回場当たり的に見つけようとしてもうまくいきません。
寒い季節からあったかくなってきたら稲を植える、少し涼しくなって太陽が沈むのが早くなったら収穫する。といったように、何かしらを基準にそのサイクルを自然と定義するようになりました。
これが暦の根底にある考え方です。
計画的に物事を進めようとした場合、誰でも、今回も次回も今後ずっと同じことができるように定められた基準と言えます。
暦がなかった場合、次に何をするかが分かっていたとしても、いつ頃やればうまくいくのか、といったことを後世に語り継げなくなってしまいます。
グレゴリオ暦やユリウス暦などさまざまな暦
さて、では暦にはどのような種類や考え方があるでしょうか。
太陽の動きを模したり、月の満ち欠けを用いたり。基本的には繰り返し行われる自然現象を参考に考えられたものが多くあります。
太陽暦
太陽の動きを参考に暦を定義したものが太陽暦です。
現在、ほとんどの国や地域で採用されている暦の考え方が太陽暦となります。
シリウス歴(エジプト暦)
最古の太陽暦を基本とした考え方をシリウス歴と言われています。
古代エジプトで考えられた方法で、ナイル川の氾濫の時期とシリウスが輝きだす時期が毎回一致することから、1年の周期を定義したものになります。
シリウスはおおいぬ座の恒星で、地球から見える星の中では太陽の次に明るい恒星です。現代では冬の大三角を構成する星としても有名で、冬に輝く星です。
一方、ナイル川は9月ごろまで続く雨季により雨水がたまり、10月から11月ごろに氾濫します。
この2つのイベントは毎回同時に起きる。ということに当時のエジプトの人たちは気づきました。これから、ナイル川が氾濫する、シリウスが輝きだす間隔を1年と定義したのが始まりと言われています。
シリウス歴では1年は365日ちょうどと定義されていました。
ユリウス暦
シリウス歴が365日であると、1年の周期の中で地球の公転周期と暦に乖離が出てしまいます。
これを埋める考え方がうるう年です。4年に1度うるう年を入れることでずれをおおよそ補正し、1年が正しく回るようになりました。
ローマ皇帝のユリウス・カエサルがローマに持ち込んだことで、ユリウス暦と呼ばれています。
ユリウス暦では4年に1度うるう年が設定されるため、1年の周期は正確には365.25日でした。
グレゴリオ暦
さらに、もっと正確に1年の周期を考えると、うるう年を入れてもずれが発生します。
1年は365.24日であり、4年に1度のうるうどしでは長い時間がたつとちょっと暦のほうが先に進んでしまいます。
これをさらに詳細に補正した考え方がグレゴリオ暦です。
ローマ教皇のグレゴリウス13世によってユリウス暦から改められた考え方です。4年に1度はうるう年とする。ただし、100の倍数はうるう年としない。ただし、400の倍数の年はうるう年とする。
ちょっとややこしいですね。これによって、ちょっと進みすぎた暦を、100年に一度くらいの周期で補正していく考え方で、400の倍数の年はうるう年を設定する、という考え方になります。
うるう年については下記の記事にも記載していますのでご参照ください。

太陰暦
太陽の動きを参考にした暦の考え方が太陽暦なのに対し、月の満ち欠けを参考にした暦を太陰暦と言います。
グレゴリオ暦とはなに?ユリウス暦とはなに?のまとめ
今回は、グレゴリオ暦やユリウス暦など、暦についての疑問を解説してきました。
人類が文明を築いて以降、文明の発展の裏には暦の発展がありました。
自然の動きを参考にした様々な方法で暦を考え出してきました。その大本には空を見上げて、月や星を観察する好奇心があったといえます。
皆さんも、冬の大三角の一つであるシリウスが輝きだすころには、エジプトは雨季なのかと思い出してみてください。
以上、グレゴリオ暦とはなに?ユリウス暦とはなに?の疑問について答えてきました。
それでは!
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