さて、春の七草の種類を聞かれてパッと出てくる方はどれくらいいるでしょうか?
正月においしものをいっぱい食べたと思います。お酒も飲んだかもしれません。そんな疲れた胃を休めるための行事食が七草粥です。
七草粥とは春の七草を使ったお粥ですが、どうしてお粥にするようになったのでしょうか?
今回は、春の七草の種類は?どうしてお粥にするの?の疑問に答えていきたいと思います。
春の七草の種類は?どうしてお粥にするの?
春の七草は?と聞かれてパッとこたえられる方は多くないかと思います。
ここでは、春の七草のおさらいと、どうしてお粥にするようになったのか、その由来について整理しました。
春の七草の種類は?

はじめに、春の七草をおさらいしましょう。
春の七草は、せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろの7つです。
とはいえ、なかなか覚えられないですよね。そんな時は、短歌のリズムに合わせて5・7・5・7・7で覚える方法があるようです。
「せり/なずな(5)、ごぎょう/はこべら(7)、ほとけのざ(5)、すずな/すずしろ(7)、これにて七草(7)」なんて覚え方があるようです。
せり(芹)
セリ科セリ属の多年草。水田の近くや湿地などに生えており、野菜として栽培もされています。
独特の強い香りと歯触りが特徴です。
若葉の成長が競り合うように背丈を伸ばし群生して見えることから、「競り(セリ)」とよばれるようになったといわれています。
なずな(薺、ぺんぺん草)
アブラナ科ナズナ属の越年草。荒れ地や道端などいたるところに生息しています。
別名ぺんぺん草。花の下に付いている果実の形が三味線の撥(バチ)に似ていることから名付けられたようです。
ごぎょう(御形、母子草)
キク科ハハコグサ属の越年草。現代ではハハコグサと呼ばれています。
全体が白い綿毛に包まれていて白っぽく見え、春から初夏に細かく黄色いきれいな花を咲かせます。
はこべら(繁縷、ハコベ)
ナデシコ科ハコベ属の植物。コハコベとミドリハコベと種類がありますが、春の七草として市販されているのはコハコベです。
道端、畑、野原などに自生し、こちらも白くきれいな花を咲かせます。
ほとけのざ(仏の座、コオニタビラコ)
キク科ヤブタビラコ属に属する越年草。現代ではコオニタビラコと呼ばれませす。
じめじめした湿地に生息し、小さなたんぽぽのような見た目をしています。
すずな(菘、カブ)
アブラナ科アブラナ属の越年草。皆さんご存じのいわゆるカブです。七草のひとつですが、現代では畑で栽培される野菜です。
すずしろ(蘿蔔、ダイコン)
アブラナ科ダイコン属の越年草。こちらも皆さんご存じのダイコンです。こちらも七草のひとつですが、現代では畑で栽培される野菜です。
1月7日の意味は?どうしてお粥にするの?
では、どうして1月7日に七草を食べるようになったのでしょうか。
1月7日は「人日の節句」
1月7日は五節句の最初である「人日の節句」です。
五節句とは江戸幕府時代に定められた代表的な季節の変わり目で、以下の5つがあります。
- 人日(じんじつ)の節句(1月7日)
- 上巳(じょうし)の節句(3月3日)
- 端午(たんご)の節句(5月5日)
- 七夕(しちせき)の節句(7月7日)
- 重陽(ちょうよう)の節句(9月9日)
人日の節句はその名の通り人の日です。
古来中国では、正月の1日を鶏、2日を犬、3日を猪、4日を羊、5日を牛、6日を馬、7日を人の日とし、それぞれ占いを行っていました。なお、その日にはその動物を殺さないようにしていたようです。
どうしてお粥にするの?
また、この日には一年の無病息災を願って、7種類の野菜(七草)を入れた羹(あつもの)を食する習慣がありました。正月のお祝い料理やお酒で弱った胃を休める意味合いもあったようです。
この風習がに日本へ伝わると、もともと日本にあった若草摘み(年のはじめに若菜を摘んで食べる)や、七種粥(7種類の穀物でつくるお粥)などの風習と結びつき、七草粥に変化していきました。
さらに、江戸時代に人日の節句が定められたことと相まって、七草の節句として一般に定着していったようです。
春以外にも七草あり、その他の七草は?
さて、春の七草や七草がゆの由来については以上の通りです。
春の七草に対して秋の七草も有名です。ここで簡単に紹介しておきましょう。
秋の七草
秋の七草は食べる、というよりは鑑賞することが主目的となります。
- おみなえし(女郎花、オミナエシ)
- おばな(尾花、ススキ)
- ききょう(桔梗、キキョウ)
- なでしこ(撫子、カワラナデシコ)
- ふじばかま(藤袴、フジバカマ)
- くず(葛、クズ)
- はぎ(萩、ハギ)
春の七草の種類は?どうしてお粥にするの?のまとめ
さて、今回は春の七草の種類は?どうしてお粥にするの?の疑問について答えてきました。
中国から伝来した文化と、もともと日本に合った習慣が融合されてできた行事だということが分かりましたね。
みなさま今年は七草がゆを召し上がるでしょうか?
しかしながら、毎年食べるたびに思いますが、正直なところ草しか入っていないお粥は物足りなく感じます。そういう時はうどんにして食べる、という手もあるようです。
天ぷらにしたいところですが、胃を休めるという目的からはそれてしまうでしょうか。
以上、春の七草の種類は?どうしてお粥にするの?の疑問についてのまとめでした。
それでは。
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