さて、雛祭りと言えば雛人形を飾ってお祝いすると思います。では、雛人形の種類をご存じでしょうか。
お内裏様とお雛様、右大臣に左大臣、三人官女に嫁入り道具のようないろいろな道具類。ほかにも笛を吹いている男の子など結構登場人物がいます。
ところで、いったい彼らはどういった人たちなのでしょう?
年に一度のイベントなので、押し入れの奥から引っ張り出すことになるかとおもいます。いざ並べようとした際に、並べ方の順番が分からないことなどあるのではないでしょうか?
また、細かい道具も多く、誰に何を持たせればいいの?と悩んだこともあるかと思います。
大きなものだと七段になり、15人分の人形があります。一通りセットするのも一苦労ですね。
最近ではマンションでもストレスなく置けるようにコンパクトなものまでラインナップが広がっているようです。出し入れの大変さも軽減してくれます。
今回は、雛人形の種類は?正しい並べ方は?の疑問について答えていきたいと思います。
雛人形の種類は?由来は?
はじめに、雛祭りは3月3日、上巳の節句に行われる女の子の成長を祝うイベントです。
みなさま、メインイベントは雛人形を並べて、ちらしずしを食べながらのお祝いだと思います。では、そもそも雛人形に飾られている方々はいったい誰なのでしょうか?
人以外にも箪笥だったり、牛車だったり、道具のようなものもありますね。いったいどんな種類で、何を意味しているのでしょう?
また、上巳の節句やひな祭りの由来については下記の記事にも記載していますのでご参照ください。

作り方による雛人形の種類
はじめに、雛人形の作り方による違いについて見ていきましょう。
これは私も調べていて初めて知りました。好みのお人形を選びましょう。
衣裳着人形(いしょうぎにんぎょう)とは
胴体を木材やわらなどの材料で組み上げ、そこに衣裳を着せて手足ときれいな頭(かしら)を取り付けものを言います。
胴体や衣装を作る職人さんと、頭を作る職人さんは別で、それぞれ作られた胴体と頭を最後に取り付けます。
伝統的な日本人形を代表する作り方です。一般的に雛人形というとこちらの衣裳着人形のことを指すようです。
木目込人形(きめこみにんぎょう)とは
こちらは、きりっとした顔立ちの日本人形と比較して、ちょっと丸みをおびたかわいらしい印象の人形です。
「桐塑(とうそ)」と呼ばれる桐の木の粉末と糊を混ぜた粘土状のもので胴体を成形。そこに溝を掘って、金襴や友禅などの布地を押し込み衣裳を着せつけます。これを木目込みというようです。
衣裳が固定されているので、衣装を着せつける手間や崩れることがないため飾りやすいお人形です。
飾り方の違いによる雛人形の種類
つづいて、大きさや飾り方の違いによる種類を見ていきましょう。
大きな家ですと7段や5段のものもあります。マンションなどスペースが限られる場合は、3段のものや、内裏雛だけのものもあります。
飾れる場所に応じて選ぶようにしましょう。
七段飾り(15人飾り)
最も豪華な飾り付けが7段飾りです。
- 最上段:男雛と女雛
- 二段目:三人官女
- 三段目:五人囃子
- 四段目:随身(右大臣と左大臣)
- 五段目:仕丁
- 六段目:嫁入り道具
- 七段目:お輿入れ道具
男雛と女雛、三人官女、五人囃子、右大臣と左大臣、仕丁が3人いるので合計15人の大所帯となります。
五段飾り
7段飾りを少しコンパクトにしたものに5段飾りがあります。7段をコンパクトにしたいニーズから作られているので、バリエーションは様々です。
基本的に3段目までは一緒のものが多く、男雛と女雛、三人官女、五人囃子です。
あとは並べる種類にバリエーションがあります。そのまま随身と仕丁を並べるパターンもあれば、随身と仕丁を四段目に並べて、五段目に嫁入り道具を置く場合もあります。
これは商品によってさまざまバリエーションがありますので、この大きさがちょうどいいという方はいろいろ見てみるといいかと思います。
三段飾り
部屋の広さに制限がある場合は、三段飾りもあります。
三段飾りは一段目に男雛、女雛を、二段目に三人官女を配置します。三段目は五人囃子ではなく、お輿入れ道具を配置するのが一般的です。
大きなものは置けないけど、男雛女雛だけだと寂しい。三人官女も欲しい、という方はこちらもいいかもしれません。
親王飾り
男雛、女雛のみのシンプルな雛人形です。
人形や道具を台座にそのまましまうことができる収納飾りや、ケースに入ったものもあります。
飾る場所が限られている場合はこちらが良いでしょう。
雛人形はそれぞれ誰なの?

さいごに、15人いる雛人形がそれぞれどのような役割なのか確認していきましょう。
七段飾りの上から見ていきましょう。
お内裏様(おだいりさま)
まず、最上段に飾られているのがお内裏様です。
お内裏様とお雛様、と言いますが、正確には男雛と女雛一対でお内裏様と呼びます。男雛が天皇陛下、女雛が皇后様を表しているといわれています。
男雛を向かって左側に配置することを関東雛、右側に配置することを京雛と言います。関東では一般的に向かって左側に配置することが多いです。
三人官女(さんにんかんじょ)
三人官女は皇室に仕える女官のことを指します。天皇陛下と皇后陛下の付き人的な役割で、とても優秀な女性が選ばれていたようです。
三人官女はそれぞれ手に何か持っていますよね。これは何でしょうか。
- 提子(ひさげ):お酒を入れておく夜間のような形をした容器のこと。ここから長柄調子にお酒を移し替えます。
- 三方(さんぽう):盃を置くための台です。三人官女の中で最も位の高いリーダ的な女性がが持ちます。
- 長柄調子(ながえちょうし):提子から移されたお酒を盃にそそぐための道具です。長い柄と注ぎ口がついた小さいお鍋のような形をしています。
五人囃子(ごにんばやし)
五人囃子は元服前の少年たちで構成された楽団です。それそれ以下の楽器(一人は歌い手)を持っています。
- 太鼓(たいこ):パワフルなリーダが担当します。一番左に配置します。
- 大皮(おおかわ):鼓を手でたたき、掛け声も担当します。左から二番目に配置します。
- 小鼓(こつづみ):小さな鼓を右肩に乗せています。中央に配置します。
- 笛(ふえ):笛を吹くメロディー担当です。右から二番目に配置します。
- 謡(うたい):楽器は持っておらず、唯一の歌い手です。一番右に配置します。
随身(ずいしん)
随身とはいわゆる右大臣と左大臣です。
向かって左側が右大臣。向かって右側が左大臣です。人形から見た左右で判断しましょう。
仕丁(しちょう)
こちらは宮廷のお世話係です。正式に宮廷につかえているわけではない、一般庶民から選ばれた担当者のようです。
怒ったり、泣いたり、笑ったりしています。別名三人上戸とも呼ばれます。
雛人形の種類は?正しい並べ方は?のまとめ
今回は雛人形の種類は?正しい並べ方は?の疑問について解説してきました。
なんとなく並べている人形たちですが、それぞれ役割のある15名であったことが分かりました。
飾り方も7段の大きなものから、コンパクトな内裏雛だけのものまで様々です。予算や飾る場所の広さで選ぶことができます。
以上、雛人形の種類は?正しい並べ方は?の疑問について答えてきました。
それでは!
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