さて、2月11日は建国記念の日。国民の祝日ですね。みなさま建国記念の日の由来はご存じでしょうか?
特にイベントや行事があるわけでもなく、どちらかというと3日後のバレンタインデーに向けて世の中は盛り上がっている頃ですよね。
建国記念の日、とはどのような祝日なのでしょうか?日本ができた日なんでしょうか?正式には「建国記念の日」と言いますが、「建国記念日」ではダメなのでしょうか?
今回は、建国記念の日とは?その由来は?の疑問について解説していきます。
建国記念の日とは?その由来は?
はじめに、建国記念の日は内閣府が定める国民の祝日です。国民の祝日は祝日法(国民の祝日に関する法律)というもので規定されています。
祝日法は1948年に制定され、当時は9日でした。その後何度か改訂され、減債は16日あります。ありがたいですね。建国記念の日はそのうちの1日となります。
では、建国記念の日の成り立ちについてみていってみましょう。
建国記念の日は2月11日。法律で定められた国民の祝日です。
先述のとおり、建国記念の日は祝日法で定められた国民の祝日です。
ところでみなさん、日本には祝日が16日ありますが全部言えますか?以下に整理してみました。
祝日の名称 | 日付 | 初めて策定された日 |
元日 | 1月1日 | 1948年の制定当初から |
成人の日 | 1月の第2月曜日 | 1948年の制定当初から |
建国記念の日 | 政令で定める日(2月11日) | 1966年の祝日法改定時 |
天皇誕生日 | 2月23日 | 1948年の制定当初から |
春分の日 | 春分日 | 1948年の制定当初から |
昭和の日 | 4月29日 | 2005年の祝日法改正時(2007年から施行) |
憲法記念日 | 5月3日 | 1948年の制定当初から |
みどりの日 | 5月4日 | 1989年の祝日法改定時 |
こどもの日 | 5月5日 | 1948年の制定当初から |
海の日 | 7月の第3月曜日 | 1995年の祝日法改定時(1996年から施行) |
山の日 | 8月11日 | 2014年の祝日法改定時(2016年から施行) |
敬老の日 | 9月の第3月曜日 | 1966年の祝日法改定時 |
秋分の日 | 秋分日 | 1948年の制定当初から |
スポーツの日 | 10月の第2月曜日 | 1966年の祝日法改定時 |
文化の日 | 11月3日 | 1948年の制定当初から |
勤労感謝の日 | 11月23日 | 1948年の制定当初から |
祝日法策定時は9日だった祝日が、今は16日まで増えています。ありがたいですね。
なお、建国記念の日に関しては、祝日法で明確に日付が規定されていません。政令で定めることとなっています。「建国記念の日となる日を定める政令」によって2月11日と規定されています。
建国記念の日の由来は?もとは紀元節という昔の祝日
それでは、建国記念の日の由来は何でしょう?どのようにできたのでしょうか。
内閣府のホームページによると、建国記念の日は「建国をしのび、国を愛する心を養う」日、とされています。
やはり日本が建国された日?のようです。では、日本の建国とはいつなのでしょうか?
もとをたどると、建国記念の日は「紀元節」という明治時代に策定された法律に由来しています。
「紀元節」とは?神武天皇が即位した日
では、紀元節とは何でしょう?紀元節とは、神武天皇の即位を記念して明治6年に策定されたかつての祝日です。
神武天皇は古事記や日本書紀に登場する初代天皇です。神話の人物であり、伝説上の人物と言えます。
神武天皇の即位は紀元前660年の1月1日とされており、これを現代のグレゴリオ暦になおすと2月11日と推定されています。
どうして紀元節がなくなったのか?
では、なぜ紀元節が廃止され、建国記念の日になったのでしょうか。
祝日法が改訂された1948年は戦後間もないころで、日本はGHQの支配下にありました。そのため、神話上の天皇の即位を記念し建国を祝う紀元節はGHQに懸念され、祝日法策定時に廃止されてしまいました。
しかし、その後も紀元節の復活を願う声は大きく、国会でたびたび議論になったそうです。「建国記念日」の設置に関する法案は9回ほど提出、廃案を繰り返したそうです。
建国記念日ではなくて建国記念の日な理由
提出、廃案を繰り返した「建国記念日」をめぐる議論ですが、1966年についに決着を迎えました。
また、その日付については議論に決着がつかず、有識者を含めての修正を経て政令にて定める、となりました。この結果が先述の建国記念の日の日付が政令で定めることになっている理由です。
いろんな案が出ましたが、最終的に2月11日に落ち着きました。
名称も、建国記念の日と定まりました。
これは、実在したかはわからない神話における天皇即位日を建国した日と定めることはせず、「建国されたという事象そのものを祝う日」と解釈できるようしたためです。
このように、紆余曲折を経て、1966年の祝日法改正により、建国記念の日が祝日として策定されました。
世界の建国記念日
さて、日本では2月11日が「建国記念の日」ですが、世界ではどうでしょう。各国にも建国記念やそれに似たイベントはあるようです。
アメリカ:7月4日(独立記念日)
アメリカは独立記念日の7月4日が相当するでしょう。1776年に独立宣言を行い、正式にイギリスから独立してアメリカ合衆国が誕生した日です。
フランス:7月14日(国祭日)
フランスではバスティーユ監獄を奪還した7月14日が国祭日(ナショナルデー)として定められています。シャンゼリゼ通りで軍の行進だったり、打ち上げ花火やダンスパーティが行われるとのことです。
ドイツ:10月3日(ドイツ統一の日)
1990年10月3日に、東西ドイツが再統一されたことを記念する日です。有名なベルリンの壁が崩壊したのは1989年11月9日ですが、東西統一の日は10月3日であり、今は祝日となっています。
カナダ:7月1日(カナディアン・デー)
1867年7月1日に、イギリス領からカナダ連邦として独立したことを記念する日です。カナダの国を挙げてお祝いムードになるようです。
建国記念の日とは?その由来は?のまとめ
さて、今回は建国記念の日とは?その由来は?の疑問について答えてきました。
そもそもの日本建国は神話の時代までさかのぼります。戦前は紀元節という祝日として広く国民に親しまれていたことが分かりました。
戦後、GHQの意向により廃止されますが、国民の強い想いによって、建国記念の日として復活しました。なぜ建国記念日じゃないかもわかりましたね。
以上、建国記念の日の由来について解説しました。
それでは!
コメント