さて、みなさま春分の日はいつ?と聞かれたらなんと答えますか?
3月20日!と答える人も、3月21日と答える人もいると思います。実際は年によって春分の日は20日か21日か違いますが、なぜなんでしょうか?
また、春分の日とは何をする日なのでしょうか?
春分の日を中日に前後7日間を春のお彼岸と言いますが、何をすればいいのでしょう?
今回は、春分の日はいつ?何をする日なの?の疑問に答えていきたいと思います。
春分の日はいつ?
はじめに、春分の日がいつなのか見ていきましょう。
先述した通り、3月20日だったり、21日だったり、年によって変わりますよね。それはなぜなのでしょうか。その由来と共に見ていきましょう。
春分の日は祝日法で定められた国民の祝日
さて、春分の日は内閣府で定めている国民の祝日のひとつです。
1948年に初めて祝日法(国民の祝日に関する法律)で定められた9つの祝日のうちのひとつです。その後7日増えて、現在は16日まで祝日が増えています。
国民の祝日の一覧
以下に、各国民の祝日の一覧を示します。
祝日の名称 | 日付 | 初めて策定された日 |
元日 | 1月1日 | 1948年の制定当初から |
成人の日 | 1月の第2月曜日 | 1948年の制定当初から |
建国記念の日 | 政令で定める日(2月11日) | 1966年の祝日法改定時 |
天皇誕生日 | 2月23日 | 1948年の制定当初から |
春分の日 | 春分日 | 1948年の制定当初から |
昭和の日 | 4月29日 | 2005年の祝日法改正時(2007年から施行) |
憲法記念日 | 5月3日 | 1948年の制定当初から |
みどりの日 | 5月4日 | 1989年の祝日法改定時 |
こどもの日 | 5月5日 | 1948年の制定当初から |
海の日 | 7月の第3月曜日 | 1995年の祝日法改定時(1996年から施行) |
山の日 | 8月11日 | 2014年の祝日法改定時(2016年から施行) |
敬老の日 | 9月の第3月曜日 | 1966年の祝日法改定時 |
秋分の日 | 秋分日 | 1948年の制定当初から |
スポーツの日 | 10月の第2月曜日 | 1966年の祝日法改定時 |
文化の日 | 11月3日 | 1948年の制定当初から |
勤労感謝の日 | 11月23日 | 1948年の制定当初から |
春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日と定義されています。
なお、国民の祝日については「国民の祝日の種類とその意味は?」の記事に記載していますのでご参照ください。

では、春分の日は何日なの?と思ってみてみると、明確な日付がなく、春分日と記載されていますね。
それでは、春分日とは何なのでしょうか?
春分日とは?
それでは、春分日とはどんな日なのか見ていきましょう。
春分日とは太陽が春分点を通過する日のことで、通過する瞬間のことを春分と言います。
また、春分は一般に「昼と夜の長さが同じ日」と言われますが、実際は若干昼が長いようです。
春分は二十四節気という中国から伝わった1年を24分割する考え方に基づきます。
夏至、冬至、立春、立夏、立秋、立冬なんて言う言葉を聞いたことがあると思いますが、これらも二十四節気に基づく定義です。
春分点とは?
春分とは、太陽が春分点を通過する瞬間のこと、その日を春分日ということは先述しました。では、春分点とは何でしょう?ちょっと難しいですが、教養として覚えておきましょう。
春分点を語るには、「天の赤道」と「黄道」について知っておく必要があります。
まず、「天の赤道」とは、皆さんご存じの地球の赤道を天球までずっと伸ばした線のイメージです。赤道の輪をずっと大きくしたイメージですね。
天球とは、地球を中心にいろんな恒星や惑星が張り付いた球体を表します。天動説とか地動説とかで争われていた時代からの考え方です。
次に、「黄道」とは、地球を中心に見た太陽の通り道です。
本当は地球が太陽の周りをまわっていることはみなさまご存じだと思いますが、「黄道」は地球を中心に見た考え方です。太陽も恒星のひとつなので、天球上を通っています。
「天の赤道」も「黄道」も天球上を通っている大きな円ですので、2点で交わります。これを、春分点と秋分点と言います。
「天の赤道」と「黄道」は23度くらい傾いており、太陽が南から北に向かって交わる点を春分点、北から南に交わる点を秋分点と言います。
ちょっと難しいですが、太陽の通り道と地球の赤道をずっと伸ばした円の交わるところが春分点、もしくは秋分点ということを覚えておきましょう。
春分の日はどうして年によって違うの?
では、春分の日はどうして年によって違うのでしょうか。
これは、うるう年の考え方と同じです。地球が太陽の周りを1周するのに必要な日数は365日ちょうどではなく、365.24日くらいです。なので、春分を1年に置き換えると、ちょっとずつずれていくことになります。
ちょっとずつずれていきますが、4年に1回ずれが補正されます。それがうるう年です。うるう年は2月29日に設定され、春分より前になりますので、4年に1回春分も補正されることになります。
よって、春分の日は毎年ちょっとずつずれていくけど、うるう年で補正されます。なので、春分の日は3月20日だったり、21日だったりしますが、それ以上ずれることはない、といった考え方です。
うるう年については以下の記事でも記載していますのでご参照ください。

当面の春分の日は何日?
では、春分の日は今後何月何日になるのでしょうか。国立天文台のホームページに2020年以降の春分日、秋分日が記載されていますので、引用します。
2030年までの春分の日
まず、2030年までを見ていきましょう。
西暦年 | 春分日 | 秋分日 |
2020年 | 3月20日(金) | 9月22日(火) |
2021年 | 3月20日(土) | 9月23日(木) |
2022年 | 3月21日(月) | 9月23日(金) |
2023年 | 3月21日(火) | 9月23日(土) |
2024年 | 3月20日(水) | 9月22日(日) |
2025年 | 3月20日(木) | 9月23日(火) |
2026年 | 3月20日(金) | 9月23日(水) |
2027年 | 3月21日(日) | 9月23日(木) |
2028年 | 3月20日(月) | 9月22日(金) |
2029年 | 3月20日(火) | 9月23日(日) |
2030年 | 3月20日(水) | 9月23日(月) |
こうやってみると、うるう年(4の倍数、2024年や2028年)で3月20日に補正されて、その後ちょっとずつずれて3月21日になるような流れが分かりますね。
2050年までの春分の日
次に、2050年までの春分の日を見ていきましょう。
西暦年 | 春分日 | 秋分日 |
2031年 | 3月21日(金) | 9月23日(火) |
2032年 | 3月20日(土) | 9月22日(水) |
2033年 | 3月20日(日) | 9月23日(金) |
2034年 | 3月20日(月) | 9月23日(土) |
2035年 | 3月21日(水) | 9月23日(日) |
2036年 | 3月20日(木) | 9月22日(月) |
2037年 | 3月20日(金) | 9月23日(水) |
2038年 | 3月20日(土) | 9月23日(木) |
2039年 | 3月21日(月) | 9月23日(金) |
2040年 | 3月20日(火) | 9月22日(土) |
2041年 | 3月20日(水) | 9月23日(月) |
2042年 | 3月20日(木) | 9月23日(火) |
2043年 | 3月21日(土) | 9月23日(水) |
2044年 | 3月20日(日) | 9月22日(木) |
2045年 | 3月20日(月) | 9月22日(金) |
2046年 | 3月20日(火) | 9月23日(日) |
2047年 | 3月21日(木) | 9月23日(月) |
2048年 | 3月20日(金) | 9月22日(火) |
2049年 | 3月20日(土) | 9月22日(水) |
2050年 | 3月20日(日) | 9月23日(金) |
2050年までを見ても、3月20日、21日以外の日はないようです。
春分の日は何をする日なの?
さいごに、春分の日には何をするのか見ていきましょう。
春分の日だから何をする、というようなイベントはありません。ただし、春分の日を中日とした1週間がお彼岸となります。
春分の日を中心とした1週間が春のお彼岸です。春分の日に加えて、その前後3日間を含めた1週間ですね。秋分の日も同様なので、春のお彼岸、秋のお彼岸と言ったりします。
春分の日は春のお彼岸。お彼岸って何するの?
お彼岸には、ご先祖様に感謝してお墓参りをしたり、お彼岸独特の食事をいただいたりします。
お墓参りでご先祖様に感謝の気持ちを伝える
まずはお墓参りをして、墓石をきれいに掃除しましょう。お墓参りはお彼岸の中日、つまり春分の日がいいといわれていますが、ご家族の都合に合わせて構いません。
また、仏壇きれいに掃除して、ご先祖様に感謝のお祈りをしましょう。
牡丹餅をお供えする、食べる
お彼岸のお供え物と言えば牡丹餅(ぼたもち)です。地方によって定義は異なるようですが、こしあんで作られたものを牡丹餅と言います。
一方、粒あんで作られたものを御萩(おはぎ)といい、秋の彼岸では御萩をお供えします。餡子の原料の小豆は秋に収穫されるため、新鮮な時に粒あんにするため秋は御萩にするそうです。
そのほか、お彼岸は極楽浄土へ近づくための修行の日、という考え方から精進料理をお供えしたり、食べたりもします。彼岸そば、彼岸うどんなどもありますね。
故人、ご先祖様の好きだったものを食べる
あとは、お彼岸はご先祖さまや故人に思いをはせる日ですので、故人の好きだったものをお供えしたり、食べたして思い出に花を咲かせることもいいそうです。
特に初彼岸(四十九日が終わって最初のお彼岸)なんかは、故人の好きだったものを食べながら思い出話をするのもいいかと思います。
おわりに
さて、今回は春分の日はいつ?春分日って何?について解説してきました。
なぜ春分の日は毎年ちょっとずつ違うのか、ご理解いただけましたでしょうか。ちょっと難し天文学的な話も出てきましたね。
いずれにせよ、3月20日か21日で、当面は19日とか22日までずれることはなさそうです。20日か21日で覚えておきましょう。
春のお彼岸でご先祖様に祈りを捧げつつ、地球が太陽の周りをまわっていることが関係していることを思い出し、空を見上げてみてもいいかもしれません。
以上、春分の日はいつ?春分日って何?の疑問について答えてきました。
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