さて、みなさまうるう年の意味をご存じでしょうか?
4年に一度あって、2月29日がある1年が普段よりも1日長い年、というのはご存じですよね?
1年が1日長い年、特に、もともと28日しかない2月が1日長く29日ある年です。
例年より1日長く学校や職場に行かないといけない、という意味で嫌だなと思っている方もいるかもしれません。
一方で、仕事に追われているサラリーマンからすると、1日稼働日が長くて助かる、という年かもしれません。
それでは、うるう年とはいったい何のためにあるのでしょうか。
実は、私たちの生活になくてはならない日付だったりします。
今回は、サラリーマンの教養として、ううるう年の意味とは?何のために4年に一度あるの?という問いに答えていきたいと思います。
うるう年の意味とは?なんで4年に一度なの?
では、うるう年の意味とその役割について確認していきましょう。
調べてみると、うるう年はみなさまが普通に日常を過ごすために、なくてはならない1日だということが分かりました。
話を進めていくうえで、太陽暦とか天球といった、少し難しい単語も出てきますので、補足しながら記載していくようにします。
「閏(うるう)」とは平年よりも月日の多い日をさす
まず、うるう年のうるうとは何でしょうか?
漢字では閏(うるう)と書きます。
閏(うるう)とは、「通常の年(平年)よりも1年の月日の数や、1日の秒数が多いこと」を指します。
つまり、平年よりも日数が多いのがうるう年、となります。
うるう年は暦のずれを補正するための大切な1日
では、うるう年とは何のためにあるのでしょうか?
本格的にうるう年の意味を確認していきましょう。
太陽暦だと少しずつ暦と実際の日付がずれてしまう
現在、世界の多くで使用されている暦の考え方を太陽暦と言います。
これは、地球が太陽の周りをまわる周期をもとに、1年の暦を作る方法です。
太陽暦の中でもグレゴリオ暦、という考え方が世界の標準となっています。
1年は365日と定義されていますよね。
ですが、実際に地球が太陽をまわるのには約365.242189日かかります。0.25日(1/4日)くらい多いんです。
そのため、4年に一度、1年を1日多くすることで、地球が実際に太陽の周りをまわる周期と暦の帳尻を合わせている、というのがうるう年の意味となります。
そして、そのために1日増やした日をうるう日と言います。
少しのずれをうるう年で補正している
ですが、実際に多くなるのは0.242189×4なので0.9688日。4年に一度1日多くすると、暦のほうがちょっと進みすぎてしまいます。
そのため、うるう年は必ずしも4年に一度あるわけではなく、400年のうちに97日暦が増えるように設定する、というのが正しいです。
これを表現するために昔の人たちがいろいろ考えた結果、うるう年は以下の定義となっています。
- 4年に一度、うるう年とする
- ただし、100の倍数の年は平年(うるう年じゃない)とする
- ただし、400で割り切れる年はうるう年とする
とてもややこしいですが、要は4年に一度はうるう年だけど、100の倍数の年は平年で、400の倍数の年はやっぱりうるう年とする。
とすることで、400年のうち97日だけ暦うるう日が増えるように調整している、ということになります。
なるほど、昔の人たちもいろいろ頑張って考えたんですね。
うるう月、うるう秒もある!
さて、ここまでうるう年がほぼ4年に一度あって、うるう年で1日増える2月29日をうるう日ということを整理してきました。
うすうす感づいている方もいらっしゃると思いますが、うるう月というものもあります。
また、うるう秒まであります。
ちょっと本論からずれますが、簡単に説明します。
うるう月とは、太陰暦の暦調整法
うるう月は太陽暦ではなく、太陰暦という暦の考え方で登場します。
太陰暦は月の満ち欠けをもとにした暦の考え方です。1か月を29日か30日とし、それを12か月繰り返して1年とします。この場合、1年は354日となり、太陽暦の1年よりも11日短いということになります。
ここで、太陽暦を参考に太陰太陽暦という考え方が生まれました。3年に一度うるう月をいれることで、1年を13か月にしてしまおうという考え方です。結構大胆ですね。
太陰太陽暦でもうるう月の設定によって、おおよそ太陽暦の1年と合うように調整することができます。
うるう年は1日増えるだけですが、うるう月は丸々1か月増えます。
これが今の社会だったら、3年に1回決算期がずれる?どうする?3年に1回2学期が1か月のびる?夏休みが1か月のびる?などなど、大混乱が予想されますね。
うるう秒は2035年までに廃止に!ちょっと難しい考え方です
一方でうるう秒という考え方もあります。
これは先述の暦の考え方よりももっと細かい、1秒の定義の話になります。ちょっと難しいです。
目的としては、協定世界時(UTC)と言われるものと、世界時(UT1)と呼ばれる時刻系の差分を0.9秒以内に調整するために、増やしたり減らしたりする秒のことです。
ちょっと難しいですが、世界時(UT1)というのは1970年台から80年代にかけて観測された1秒をもとに定義されました。
一方で協定世界時(UTC)はより正確な国際原子時をもとにして定義されています。
この2つの1秒の定義は実は2~3ミリ秒くらいずれていて、世界時(UT1)を協定世界時(UTC)と合わせるために、数年に一度うるう秒で調整する必要がある、ということです。
1972年の協定世界時(UTC)が定義されて以降、計27回(27秒)のうるう秒の挿入が行われたようです。一番最近では、2017年には1月1日にうるう秒の挿入による調整が行われました。
ただし、うるう秒での調整はシステム障害の懸念があり、2013年12月にドバイで行われた国際電気通信連合(ITU)の会議にて、2035年までに廃止する議決案を採択しました。
おわりに
今回は、うるう年の意味とは?何のために4年に一度あるの?の疑問について答えてきました。
結論、ちょっと難しかったですね。
うるう年は地球が太陽の周りをまわる日数と暦上の日数のずれ、を4年に一度程度のサイクルで補正するためのものでした。
また、月の満ち欠けを基準とした太陰暦ではうるう月があることもわかりました。
あまり使われない太陰暦なので耳にすることはないですが、日本も明治初期までは太陰暦を採用しており、うるう月の挿入も行われていたようです。
うるう秒は難しかったですね。
1秒の定義は時代の中でより精度が上がってきて、昔の定義と細心の定義ではややずれが出るために補正する1秒、といったイメージでした。ちょっと難しい定義ですが、調べてみると面白いので興味のある方は是非。
以上、うるう年の意味とは?何のために4年に一度あるの?の疑問について解説でした。
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